全難聴 情報文化部

 【行政等への要望】
 2007年7月4日 経済産業大臣政務官との面談「日本映画への字幕付与に関する要望」
           
高木政務官(中央右)に要望書を手渡す高岡理事長
(中央左)。右は山口参議院議員。
高木政務官に要望内容を説明する高岡理事長。
意見を述べる川井情報文化部長。
意見を述べる川井情報文化部長。

【報告】

 全難聴は、去る6月22日付けで経済産業大臣あて「日本映画への字幕付与に関する要望について」を提出し、さらに6月26日付けで同文を自由民主党、民主党、公明党、共産党、社会民主党、国民新党の主要政党にも郵送にて提出致しました。

 その件について、当会は全日本ろうあ連盟や手話ランドきいろぐみ南瑠霞さんたちと連携して共同歩調を取り、急遽、経済産業省との面談を実現しました。

 7月4日(水)10時より11時、東京・霞ヶ関の経済産業省12階にある大臣政務官室において、
高岡正理事長のほか、全日本ろうあ連盟の久松三二本部事務所長、(株)手話ランドきいろぐみの南瑠霞代表らが高木美智代大臣政務官と面談をしました。先に郵送した、聴覚障害者のために日本映画への字幕付与を求める甘利明経産相あての要望書を手渡し、要望内容の説明を行ないました。

 聴覚障害者が映画の内容を理解するためには、会話などの音声だけでなく、電話の音や車の警笛などの”音情報”の状況を説明する字幕も不可欠なこと、映画字幕制作のためのガイドラインの作成、映画やDVDのバリアフリー化を支援する財政措置の実施、映画・DVDなどへの字幕付与の義務付け実現等を口頭でも訴えました。政務官側からは、字幕付与を推進するための法制化を進めるなど、皆さんと協力して取り組んでいきたい。また、関連団体や業界などに積極的に働きかけていきたいとのお返事がありました。

【高岡理事長のコメント】
 今回、映画『バベル』の字幕の署名運動がきっかけで、経済産業大臣に要望書を2回にわたり提出した。手話ランドきいろぐみの南瑠霞氏らの尽力で経済産業省政務官に要望を説明することとなった。
 映画、ビデオの字幕の要望は全難聴の前身、全国難聴者連絡協議会結成依頼のものだ。全日本ろうあ連盟の映画『名もなく貧しく美しく』の50年前からの要求だ。なぜか。それだけ、人間の感情を揺さぶる力を持っているからだろう。
 映画・DVDの字幕は過去の多くの聴覚障害者やボランティアの運動の成果で、字幕が付けられている。しかし、限られた本数であり、いつも見られるとは限らない。
 テレビの字幕放送は40万名の署名がきっかけで放送法が改正され、字幕放送普及の行政指針が策定されて大きな発展を見た。
 映画、DVDの視聴は聴覚障害者が人間らしい生活を送るために不可欠なものだ。障害者権利条約第30条(b)には映画、テレビの視聴の保障が明記されている。
 映画もパソコンでダウンロードしたりする時代だ。新しい考えにたって国民的な運動の取り組みを進めよう。

【川井情報文化部長のコメント】
 映画は単に見る人を癒すばかりでなく、人の生き方に影響を与える。特に青少年時期に見る映画はその人の人格形成に影響を与えます。色々な社会の会話現場において人間関係の育成・維持・発展が不得手な聴覚障害者にとって映画の理解は大いなる社会学習の場でもあると思っています。その意味から映画の字幕付与は聴覚障害者にとって有意義かつ不可欠です。
 今回、経済産業省の政務官への要望について、きいろ組皆さんのご努力が大きかった。
 聴覚障害者は日本映画への字幕付与について長年の欲求があり、経済産業省政務官へベクトルが収束し、今回の要望をあげることができた。この波紋を拡大させたいと思います。
 



 
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