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全難聴 情報文化部 |
【行政等への要望】
2007年6月22日 経済産業大臣あて「日本映画への字幕付与に関する要望について」を提出
※2月28日付けで提出した要望書に加筆訂正して再提出
2007年6月26日 自由民主党、民主党、公明党、共産党、社会民主党、国民新党 にも提出
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2007年6月22日
経済産業大臣 甘利 明 殿
社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
理事長 高岡 正
日本映画への字幕付与に関する要望について
時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
日頃より私ども中途失聴・難聴者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
現在、国内各地で上映されている「洋画」の映画には日本語の字幕がついていますが、「邦
画」にはほとんど日本語字幕は付きません。私たち聴覚障害者には字幕の無い邦画は楽しむこ
とが出来ません。最近もアメリカ映画「バベル」に、日本人の出演物語部分がありますが、日
本語部分には字幕が無く、ろう者の出演した部分を聴覚障害者が理解できないことから有志に
よる署名運動が開始され、配給会社が日本初の全編・全フィルムで日本語字幕付きで上映され
たということがありました。
聴覚障害者には映画は大きな社会学習の情報源であり、健聴者同様、心の癒しでもあります。
私どもは聴覚障害者や関係者が仲間とともに映画を楽しむことができるよう、下記の通り要望
致します。
記
1 日本映画の情報バリアフリーの実現のため、字幕制作ガイドラインを作成して下さい。
聴覚障害者が日本映画を楽しむためには、音声の文字視覚化が必要です。また、電話の音、
ドアが開く音、鳥のさえずり、車などの警笛、機器類などの警報音等、画面に現れない「音」
の様子を説明する字幕も必要です。さらに、文字の大きさ、色、背景とのバランス、要約の程
度、表示時間等、読みやすさ等に配慮した字幕について、統一した規格・規定がありません。
こうした聴覚障害者に配慮した映画字幕の規定或いはガイドラインを策定してください。
また作成に際しては、私ども社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会をはじめ、バリ
アフリーのニーズを抱えた当事者が策定に関われるようにしてください。
2 映画やDVD等の情報バリアフリー化を援助する、財政支援措置を実施して下さい。
テレビの字幕は1997年、放送事業者に対して当時の郵政省(現・総務省)の作成した指針や
予算的な補助があって普及し、今年2007年には生放送も含めた番組を対象としたガイドライン
の検討が行われています。聴覚障害を持つ人々や騒音下や音声の出せない環境の人々、外国人
等もテレビが視聴できるようになっています。
映画やDVD等でも、字幕付与等、バリアフリー化を進める財政支援措置を実施して下さい。
3 市販の映画ソフトコンテンツの字幕付与義務づけを実施して下さい。
現在までに日本で制作した映画等の映像ソフトは2006年12月の日本図書館協会調べで、
VHSの全タイトルは20,956タイトルで、その内字幕付与は139タイトル(0.66%)、DVDの全
タイトルは約14,000タイトルで、その内字幕付与は約1,000タイトル(7.1%)です。DVDで若干
増えているものの、こと日本映画映像ソフトの分野では聴覚障害者はその視聴を殆ど無視され
ているといって過言ではありません。市販される映画ソフトについても、字幕付与の義務付け
を実施して下さい。
以上